蜘蛛の子(くものこ) 三夏 季語と歳時記 【解説】 孕んで卵嚢がふくれた蜘蛛を袋蜘蛛というが、その袋が破れて生まれてくるのが蜘蛛の子である。四方に飛び散るように生まれるので「蜘蛛の子を散らす」というような言葉も生まれた。 【例句】 蜘蛛の子の柱伝ひや縄簾 桃隣「古太白堂句選」 蜘蛛の子やおのおの巧持去らん 麦水「新虚栗」 蜘蛛の子はみなちりぢりの身すぎ哉 一茶「九番日記」 蜘蛛の子や時化の簀垣に夥し 増田龍雨「龍雨俳句集」