海猫(うみねこ) 三夏
【子季語】
ごめ
【解説】
四十六センチほどの中型のカモメ。全国の沿岸、港、河口、干潟などに生息する。頭部から体下面は白く、背や翼上面は黒褐色。 尾羽に黒帯があるのは、日本産カモメ類では海猫だけである。ミャーアーと猫のような声で鳴くので、この名がある。別名ごめ。
【科学的見解】
ウミネコは、カモメ科の鳥類で、九州から北海道までの沿岸域に繁殖地が存在する。産卵期は主に四月から五月で、産卵数は二個から三個とされている。非繁殖期は群れで生活し、他の海鳥を攻撃して餌を横取りする場合もある。近縁種は、オオセグロカモメ、セグロカモメ、ワシカモメなどが存在し、本種も含めてこれら全てネコに似た鳴き声をするが、本種のみが和名にネコの名前が付けられている。(藤吉正明記)