【子季語】
高野豆腐/凍豆腐/氷豆腐/寒豆腐/豆腐氷らす
【解説】
茄でた豆腐を寒気にさらして凍らせ、その後天日干しにして作る。 栄養価が高く長期保存がきき、食べるときはぬるま湯でもどす。味噌汁の具や、煮物の具などになる。関西では、高野豆腐とも呼ばれる。
タグ別アーカイブ: etc
蒟蒻氷らす(こんにゃくこおらす/こんにやくこほらす) 晩冬
【子季語】
氷蒟蒻/氷蒟蒻造る
【解説】
寒中の夜間作業である。煮た蒟蒻に水をかけて氷らせ、次の夜もまた水をかけては氷らせる。ひと月ほどこの作業を繰り返すことで、乾燥した氷蒟蒻ができる。出汁ををよく吸うため、普通の蒟蒻よりうま味がある。精進料理などに使われる。
風切鎌(かざきりがま)三冬
【解説】
鎌のもつ力によって、風を衰えさせようというおまじないの一種。 屋根に鎌を取り付けたり、竹竿の先に取り付けて風に向けて立てたりする。
墓囲ふ(はかかこふ) 仲冬
【解説】
雪や冬の風から墓を守るため、藁や菰で墓を囲うこと。凍りついた墓石が割れるのを防ぐためである。
雪棹(ゆきざお/ゆきざを) 晩冬
【子季語】
雪竿/雪尺/スノーポール
【解説】
積雪量を測るため、雪に立てておく目盛のついた棹のこと。道路 と側溝の境に立てて目印としたり、校庭などでは、百葉箱の脇に 立てられたりする。
【例句】
雪竿や船路に倦みし佐渡が島
東几「新類題発句集」
寒厨(かんちゅう) 晩冬
【子季語】
寒くりや
【解説】
冬の台所のこと。
だぼ鱚(だぼはぜ) 三冬
【子季語】
ぎす
【解説】
ソトイワシ科の深海魚。沖縄から北海道まで広く分布する。細長 い体型で六十センチくらい。色は白いものから黒っぽいものまで 様々である。口先が長く尖る。蒲鉾の原料となる。
寒苦鳥(かんくちょう/かんくてう) 三冬
【子季語】
雪山の鳥
【解説】
インドの大雪山に棲むと言われる想像上の鳥。夜の寒さに耐えかね、こんなに寒い目をするなら、あす早速、寒さをしのぐ巣を造ろうと啼くが、いざ夜が明けると無情の世に巣など造ってなんになると言って怠けるとされる。怠けものの譬えになる鳥である。
【例句】
寒苦鳥の声に脉見る山路かな
鬼貫「野梅集」
酒買へと啼きすすむるや寒苦鳥
才麿「塵の香」
かんこ鳥は賢にして賤し寒苦鳥
蕪村「蕪村句集」
声悲し雪に幾日の寒苦鳥
伊藤松宇「松宇家集」
冬鷺(ふゆさぎ) 三冬
【子季語】
残り鷺
【解説】
冬の間、日本に留まる鷺の総称。サギ科には様々な属があるが、冬鷺の多くはコサギ属とアオサギ属である。灰色の冬の景の中で白い小鷺はひときわ目立つ。蒼鷺の体色は灰色を帯びた青。残り鷺とは冬になっても南に帰ることができなかったものをいう。
鷦鷯(みそさざい) 三冬
【子季語】
三十三才/冑蝶/巧婦鳥
【解説】
スズメ目ミソサザイ科ミソサザイ属。縞模様の入った茶褐色の体色で、全長は十センチ程度。尻尾を鋭角に上げる。平地や里に近いい山中に棲み、非繁殖期には民家にも入り込む。
【例句】
笹垣のどちらに啼くぞみそさざい
去来「草刈笛」
夕ぐれや井戸から出たる鷦鷯
許六「正風彦根躰」
身ひとつを里に来鳴くか鷦鷯
凡兆「柞原」
足がろに竹の林やみそさざい
惟然「枯尾花」
夕暮れの篠のそよぎやみそさざい
蓼太「蓼太句集初編」
竹伐りの股くぐりけりみそさざい
闌更「三傑集」
積みかへる榾に敷かれなみそさざい
樗堂「萍窓集」
雪花をまぶたにつけてみそさざい
梅室「梅室家集」
ひとり来てひとり動けり三十三才
森澄雄「餘日」