魂祭(たままつり) 初秋
【子季語】
霊祭/玉祭/聖霊祭/聖霊盆棚/盆棚/魂棚/聖霊棚/棚経 棚経僧/掛素麺/苧殻の箸/瓜の馬/茄子の牛/手向け/水向
【解説】
七月十二日の草市で買いととのえた品で精霊棚をつくり、祖先の霊を招く。棚を略して仏壇の前に供物をする所もある。みそ萩、枝 豆、瓜茄子等を供え、門火を焚く。僧は各檀家を廻り棚経をあげる。掛素麺は供物のひとつ。瓜茄子の馬は聖霊の乗物。
【例句】
まざまざといますがごとしたままつり
季吟「師走の月夜」
棚経や遍照が讃し杖さゝげ
言水「富士石」
数ならぬ身とな思ひそ魂祭
芭蕉「有磯海」
玉棚の奥なつかしや親の顔
去来「韻塞」
遺言の酒そなへけり魂まつり
太祇「太祇句選」
魂棚をほどけばもとの座敷かな
蕪村「蕪村句集」
なき父の膝もとうれし魂祭
樗良「まだら雁」
さし汐や茄子の馬の流れよる
一茶「享和句帳」