摂待(せったい) 初秋
【子季語】
門茶
【解説】
「七月一日より心ざしのため行ふ」と初学抄にある。陰暦七月、秋風は立ちそめてもまだ暑く片陰が恋しい。寺詣をする人、特に 遍路のために、寺門や往来に摂待所を設け、湯茶や食物を用意し人々の休むにまかせた。細々とした生活用品を提供したり、散髪などの奉仕もあった。
【例句】
摂待の茶碗ぬす人泪かな
来山「続今宮草」
摂待や茶碗につかる数珠の総
蝶夢「草根発句集」
接待や菩提樹陰の片庇
蕪村「蕪村遺稿」
摂待にきせるわすれて西へ行
蕪村「落日庵句集」
摂待によらで過行狂女かな
蕪村「夜半叟句集」
せつたいや古郷へ帰るすまひ取り
几菫「晋明集二稿」