母子草(ははこぐさ) 晩春
【子季語】
鼠麹草(ほうこぐさ)/ははこ/ほうこ/御形蓬
【解説】
キク科の多年草。人里近くのどこにでも自生している。葉や茎が、柔らかな白毛に覆われているため、全体が白っぽく優しい感じがする。ヘラ形の葉の間からのびた花茎に、小さなつぶつぶの黄色い頭頂花を球状につける。春の七草のオギョウは母子草のロゼット(根出葉)である。
【科学的見解】
ハハコグサは、キク科の一年草もしくは越年草であり、北海道から沖縄までの路傍や田畑、荒れ地などに普通に生育している。花序には舌状花はなく、すべてが筒状花で構成されている頭花をつけ、葉の表面には白軟毛を密生させることが特徴である。近縁の種としては、ヨーロッパから西アジア原産のセイタカハハコグサが帰化しており、また本種との雑種も存在することが知られている。(藤吉正明記)
【例句】
すりこぎや父はおそろし母子草
路通「雷盆木」