千振(せんぶり) 仲秋 季語と歳時記 【子季語】 当薬/千振の花 【解説】 リンドウ科の二年草。白に薄紫の細い筋が入る五弁の花が九~十一月に開く。草丈は十~二十五センチ。これを摘み取って陰干しにし、煎じて飲めば胃に効く漢方薬になる。「千回振り出しても(煎じても)苦い」ことから「千振」という名がついた。 【科学的見解】 千振(センブリ)は、北海道西南部から九州の日当たりの良いやや乾燥した山野に生育する。近縁種としてイヌセンブリが存在するが、苦味はなく、湿ったところに生えるため、容易に区別することができる。(藤吉正明記)