橙(だいだい )晩秋
【子季語】
回青橙/かぶす
【解説】
ミカン科の常緑低木。五月頃白い花を咲かせ、秋に実らせる。実 は最初は緑で、冬に紅黄色に変わる。そのまま次の年の夏まで採らずにおくとまた緑色になることから回青橙(かいせいとう)という名前もある。こうして、一つの木に新旧の実がなるところか ら「代々」の名がついた。実は酸味が強く苦味があり生食には適さない。正月の飾りなどに用いられるほか、マーマレードなどにも利用される。
【科学的見解】
ダイダイは、ミカン科ミカン属の常緑低木であり、インド・ヒマラヤが原産とのことである。別名として、カブスという呼び名も存在する。本種の果実は、冬から晩春にかけて成熟し、果皮の表面は濃橙色となる。果柄部が肥厚するものをザダイダイ(座橙)として区別することがある。本種の果実は酸味が強いため、一般的には調味料として使用され、また果皮はマーマレード等のジャム利用が行われている。(藤吉正明記)
【例句】
葉籠りに橙垂れて夥し
篠原温亭「温亭句集」