蝉茸(せみたけ) 仲夏
【子季語】
蝉花/冠蝉
【解説】
バッカクキン科トウチュウカソウ属。地中でにいにい蝉のさなぎ に寄生して成長する。夏になると死んださなぎから棒状の子実体を地上に伸ばす。橙黄色で径は五ミリくらいで丈は五から八センチくらい。寺の境内などで見られる
【科学的見解】
蝉茸(セミタケ)は、菌類:冬虫夏草の仲間で、土の中のニイニイゼミの幼虫に寄生する。菌類は胞子で繁殖する。胞子を風で拡散させるため、子実体(キノコ)は地上に形成する。その他の冬虫夏草としては、ヒグラシの幼虫に寄生するツブノセミタケ、アブラゼミに寄生するオオセミタケ、ツクツクボウシの幼虫に寄生するツクツクボウシタケなどが知られている。(藤吉正明記)
【例句】
蝉花や疎き山辺の青葉垣
松瀬青々「妻木」