水無月(みなづき) 晩夏
【子季語】
風待月、常夏月、青水無月
【解説】
陰暦六月、陽暦の七月ころにあたる。炎暑のため、水が涸れ尽きて地上に水の無い月と解されている。酷暑にあえぎながら風待つうちに、時に雷鳴や夕立を催し、夕暮れの涼しさには秋の気配を覚えるといった時候である。この月の晦日に夏越の祓を行い、身を清める。
【例句】
水無月や伏見の川の水の面
鬼貫「大悟物狂」
水無月や鯛はあれども塩鯨
芭蕉「葛の松原」
水無月の朝顔すずし朝の月
樗良「樗良発句集」
水無月の限りを風の吹く夜かな
闌更「半化坊発句集」
骨髄に青水無月の芭蕉かな
蓼太「蓼太句集三編」
戸口から青水無月の月夜哉
一茶「八番日記」
六月や峯に雲置くあらし山
芭蕉「句兄弟」
六月の埋火ひとつ静かなり
暁台「暁台句集」
温泉あれど六月寒き深山哉
闌更「半化坊発句集」
六月の氷もとどく都かな
蓼太「蓼太発句集」