枸杞(くこ)仲春
【子季語】
枸杞の芽/枸杞摘む
【解説】
ナス科クコ属の落葉低木で棘がある。川や土手などに自生し、高さは、一メートルから二メートルくらい。春、その柔らかい葉は摘んで味噌和えや枸杞飯にする。根皮や葉は生薬となり、実はクコ酒に利用される。
【科学的見解】
クコは、北海道から琉球まで分布し、近隣の朝鮮や台湾、中国大陸にも広く存在している。近縁種としては、アツバクコ(別名:ハマクコ)が知られており、小笠原や沖縄などの南方の海岸付近に自生している。(藤吉正明記)
【例句】
枸杞垣の似たるに迷ふ都人
蕪村「落日庵句集」
枸杞垣やいつち芽ぐみし夕あかり
富田木歩「定本木歩句集」