芥菜(からしな) 三春
【子季語】
芥子菜/青芥/菜芥/辛菜
【解説】
アブラナ科の一年草または二年草。春、黄色の小さな十字花をつける。古くから食用として栽培され、葉茎は油炒めやおひたし、漬物などに利用される。また種子を粉末にしたものが芥子として使用される。
【科学的見解】
芥菜(カラシナ)は、アブラナとクロガラシとの交雑種で、中央アジアに分布している植物である。日本へは、九世紀の書物に記載されているため、それ以前に渡来していたと思われる。カラシナの品種は相当あり、大きく葉カラシナ群、タカナ群、多肉タカナ群、中国野菜のカラシナなどに分かれる。中国野菜のザーサイ(搾菜)は、カラシナの仲間である。(藤吉正明記)
【例句】
辛菜も淋しき花の咲きにけり
一茶「文化六句日記」
からし菜が濃緑に夜や明けぬらし
前田普羅「新訂普羅句集」