冬柏(ふゆかしわ/ふゆかしは) 三冬
【子季語】
柏の枯葉/枯柏
【解説】
ブナ科の落葉高木。冬に葉が枯れても、落ちないで枝について越 冬する。その立ち姿や風に鳴る葉音は印象的で、「柏木の葉守の 神」と古歌にあるように、神宿る木とされるのも頷ける。
【科学的見解】
カシワは、ブナ科コナラ属の落葉樹であり、日本各地の山野や海岸等に生育している。本種は、神木や縁起木とされているため、庭木としても身近に植栽されている。落葉樹である本種は、秋に紅葉するが、紅葉後も葉は落葉せず、そのまま枯葉になって木に付いたままになっている。しかし、翌春には新しい芽が伸びてくるため、その直前の春に一斉に落葉する。枯葉が落葉せずに付いたままになる理由としては、本種がよく寒冷な場所に生育していることから、霜や強風から新芽や枝を守る工夫と推察される。(藤吉正明記)
【例句】
顔寄せて馬が暮れをり枯柏
臼田亜浪「亜浪句集」