梔子の実(くちなしのみ) 仲秋
【子季語】
山梔子の実
【解説】
梔子は、アカネ科クチナシ属の常緑低木。六月から七月枝先の葉腋に香りのよい白い花を咲かせる。秋から冬にかけて、小さな種が詰まった黄赤色の実が熟す。実の大きさは二センチくらい。薬用になる。
【科学的見解】
クチナシは、本州(静岡以西)から琉球の林縁に生育する常緑樹である。花の美しさや香りのよさから、庭木や公園木としてもよく植栽されている。植栽されているものの多くは、八重咲品であるが、それらは人為的な改良で作出された品種である。そのほか、野生種の変種も多く、全体が小型のコクチナシや葉に丸みのあるマルバクチナシなどが存在する。(藤吉正明記)