芙蓉の実(ふようのみ )仲秋
【解説】
芙蓉はアオイ科フヨウ属の落葉低木。七月から十月にかけて枝の上部に大輪の一日花をつける。花のあとから球形の果実が実り、熟すと五裂する。実の直径は二、三センチ。
【科学的見解】
中国原産のフヨウは、アオイ科の落葉低木であり、観賞用として公園や庭先などに植栽されている。花は十センチメートルほどになり、開花後三センチメートルほどの球形の果実を形成する。乾燥すると果実が割れ、毛を密集させた種子は風で散布される。一般的に本種の花は桃色であるが、白花や八重咲きなどの品種も存在する。近縁種としては、九州南部から沖縄までの地域にサキシマフヨウが自生し、本種の葉が掌状に浅裂するのに対して、サキシマフヨウの葉は五角形になることから、葉の形の違いで区別することができる。(藤吉正明記)