杉の実(すぎのみ) 晩秋
【解説】
杉はスギ科スギ属の常緑高木。春に多くの花粉を飛ばし、十月ころ二センチから三センチくらいの球果を結ぶ。最初は緑色をしているが、しだいに褐色に変わる。
【科学的見解】
スギは、ヒノキ科(旧スギ科)の常緑高木であり、本州青森以南から九州の屋久島までの山地に自生もしくは植栽されている。本種の果実は球果と呼ばれ、木質となり、乾燥すると球果が裂開する。種子は、わずかであるが翼があり、風によって散布される。本種は、建築材として有用であるため、全国的に植林が行われている。鹿児島県の屋久島には、樹齢千年を超えるものも自生している。(藤吉正明記)
【例句】
日々好日と杉の実干してあり
石井露月「露月句集」