【子季語】
玄圃梨/てんぽうなし
【解説】
けんぽなしはクロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木。高さは二十メートルにもなり、日本各地の山野に自生する。六、七月頃淡緑色の花を咲かせ、十一月頃実が熟れる。実は六から七ミリくらい。太く肥えた果柄は甘みがあって生食できる。
【科学的見解】
ケンポナシは、北海道奥尻島から九州に分布する落葉高木である。花は、香りが強く、多くの昆虫を引き寄せる。晩秋、花序の柄が肥大し、糖分が蓄えられる。近縁種としては、果実や葉に毛があるケケンポナシが存在する。(藤吉正明記)
【例句】
暮るる日や落ち葉混じりの玄圃梨
吉田冬葉「玉葛」