油桐の実(あぶらぎりのみ) 晩秋
【子季語】
桐油の実
【解説】
油桐はトウダイグサ科アブラギリ属の落葉高木。暖地に植えられ、高さは十五メートルにもなる。五月から六月にかけて五弁の白い花を咲かせ、秋に二センチほどの扁球形の実をつける。種からは 油が採れる。
【科学的見解】
アブラギリは、トウダイグサ科の落葉高木で、本州中部以西から九州までの山地に自生する。花は単性で散房状花序を形成し、開花後は二センチから三センチほどの蒴果をつける。果実の中にある種子には油分が含まれており、昔から油を取るために西日本を中心に栽培も行われてきた。採取された油は、印刷や家具などの艶出しに使われたようである。(藤吉正明記)