朝顔の実(あさがおのみ/あさがほのみ) 仲秋
【子季語】
種朝顔/牽牛子
【解説】
一日花の朝顔は、花を終えるとすぐに青々とした実を結ぶ。秋も深くなり蔓が枯れてくるにしたがって、実は茶褐色に熟し、薄い皮に包まれた黒又はこげ茶色の種を実らせる。この種は、翌年、 朝顔を咲かせるために採取するほか、生薬にも利用する。
【科学的見解】
アサガオは、ヒルガオ科の一年草で、観賞用として鉢植え栽培や柵仕立てで栽培が行われている。本種の種子には薬用成分が含まれているため、古い時代に中国から薬として導入された。生薬名は牽牛子(けんごし)と呼ばれている。本種は温帯性の植物であり、主に秋に花を咲かせるが、近年熱帯性のアサガオが園芸植物として導入されており、それらは五月ごろから花を咲かせるため季節感がわかりづらくなっている。(藤吉正明記)
【例句】
槿(あさがほ)の実をとる人のゆふべかな
才麿「一星」