衝羽根(つくばね) 仲秋
【子季語】
胡鬼の子/突羽子/羽子の木
【解説】
衝羽根は、ビャクダン科ツクバネ属の落葉低木。高さは一メート ルから二メートルくらいで、栂や樅などに半寄生する。雌雄異株 で雌株は初夏、枝先に淡緑色の四弁の苞をもった花をつける。果 実は長さ一センチほどで、茶褐色の楕円球。苞がそのまま残って、 羽根つきの羽根のように見える。
【科学的見解】
ツクバネは、ビャクダン科の落葉低木であり、本州から九州までの山地林内及び林縁に生育する。本種は、モミやスギなどの針葉樹の根系に寄生することが知られているが、自身も緑色の色素であるクロロフィルを持ち、光合成を行うことから、完全寄生ではなく半寄生植物とされている。本種は、雌雄異株で、雌株は開花後枝先に羽根突きの羽根に似た形の果実を形成し、風を受けて果実を散布する。(藤吉正明記)