耳菜草(みみなぐさ) 晩春
【子季語】
オランダ耳菜草
【解説】
ヨーロッパ原産の帰化植物。四月から六月にかけ五弁からなる白色の小花をつける。道路や道ばた、畑などに生育する多年草で茎は途中で二つに分かれ、黒に近い紫色をしているのが特徴。葉は食用にもなり、ねずみの耳に似ていることからこの名がある。
【科学的見解】
ミミナグサという名を持つ植物は、十種ほどが知られている。近年、人里や都市部で一般的に見られるミミナグサの仲間は、ヨーロッパ原産のオランダミミナグサである。オランダミミナグサは、ナデシコ科の越年草であり、田畑や路傍に普通に生育している。また、同じような場所に生育する在来の種としては、ミミナグサが知られている。ミミナグサとオランダミミナグサの違いは、花柄とガクの長さの関係や花の数であり、ミミナグサの方が花の数が少なく、花柄はガクよりも長くなるのが特徴である。(藤吉正明記)