十二単衣(じゅうにひとえ/じふにひとへ) 晩春 季語と歳時記 【解説】 本州、四国に分布する二十センチほどのシソ科の多年草。名は花が重なって咲く姿を礼装の十二単衣に例えたもの。野原や農道などに生える。晩春に咲く唇形の花は茎の先に何段も輪生し穂状をなす。 【科学的見解】 ジュウニヒトエは、シソ科の多年草で、本州と四国のやや乾いた丘陵地に生育している。茎は、株元から数本束生し、茎の先端付近に花が多数つく。近縁種にタチキランソウが存在するが、本種の花が白色に近いのに対して、タチキランソウはるり色であるため、容易に区別できる。(藤吉正明記)