夏蜜柑の花(なつみかんのはな) 初夏
【解説】
江戸時代中期に山口県に漂着した果実の種子が夏みかんの起源。明治時代に全国に普及。別名「夏柑」、「夏橙」、明治末から次第に「夏蜜柑」と呼ばれるようになる。五月、香気を放つ白い五弁の花を咲かせる。庭木としても利用される。
【科学的見解】
ナツミカンは、ブンタン系の自然交雑種とされている。果実は、酸味とほろ苦みがあるのが特徴であるが、近年は酸味が強いものは好まれないため、需要は激減している。ナツミカンの発見後、より甘みのあるものが枝変わりとして発見され、それらに甘夏という名がつけられた。花は、初夏に開花するが、前年の結実果が残るため、初夏に花と実の両方を楽しむことができる。(藤吉正明記)