朝寝(あさね) 三春
【解説】
春は寝心地がよく、たとえ十分な睡眠をとっていても、いつまでもうつらうつらと温かい寝床にくるまっていたいもの。猛浩然の「春眠暁を覚えず」を出典とする。「春眠」から派生した言葉。春の駘蕩とした気分をあらわしている。
【例句】
花を踏みし草履も見えて朝寝かな
蕪村「蕪村句集」
虫売りのかごとがましき朝寝哉
蕪村「落日庵句集」
朝寝髪撫でもつけずに茶摘笠
高田蝶衣「青垣山」
朝寝して犬に鳴かるる幾たびも
臼田亜浪「定本亜浪句集」
毎日の朝寝とがむる人もなし
松本たかし「たかし句集」