玉蜀黍の花(とうもろこしのはな/たうもろこしのはな) 晩夏
【子季語】
唐黍の花/南蛮の花
【解説】
熱帯アフリカ原産。イネ科の一年草。雌雄異花で夏の終わりの頃、茎頂に薄に似た大きな雄花をつける。雌花は葉腋上の苞の中から赤毛状の花柱を長く垂らし、雄花が風に飛ばした花粉を受ける。
【科学的見解】
トウモロコシは、イネ科の一年草で、主に家畜の飼料用や食用として広く栽培されている。飼料や加工用としては、デンプン質の多いデント種、フリント種、ポップ種(爆裂種:いわゆるポップコーン)、ワキシー種(もち性デンプンが含まれている)が知られている。食用としては、甘みの強いスイート種(甘味種)があり、様々な品種が作出されている。本種の花は、雌花が葉の葉腋に形成され、それぞれの子房から伸びた長い花柱が果実の外に飛び出してヒゲ状となっている。また、雄花は、茎頂に纏まってつき、風により花粉を散らすことでその下の雌花から伸びた長いヒゲ状の花柱と受粉を行っている。(藤吉正明記)