雀の巣(すずめのす) 三春
【子季語】
巣引雀(すびきすずめ)/巣藁雀(すわらすずめ)
【解説】
雀の営巣期は早春から夏にかけて行われ、人家の屋根裏や瓦の隙間、廂裏などにつくる。煙突、高い木の枝の上、古木の空洞などにもつくることもある。材料は藁、枯草、小枝、草の根など。産卵は年二、三回で、一回に五~八個の卵を産む。「雀のお宿」などいわれるように人間とのかかわり合いが深い。
【例句】
巣はあだに軒の雀の声高き
白雄「白雄句集」
こと更にがしかましさや雀の巣
三巴「新類題発句集」
人も来ず神殿古りて雀の巣
正岡子規「子規全集」