榛の花(はしばみのはな) 仲春
【解説】
カバノキ科の落葉灌木。山地に自生。晩春、葉に先立って花を開く。雄花は黄褐色で穂状、長く垂れ下がって咲き、雌花は紅色の花柱が上向きにつく。
【科学的見解】
日本の野山において、榛の仲間としては、ハシバミとツノハシバミが存在する。ハシバミは、北海道から九州にかけて分布し、十五ミリメートルほどの硬い球形の果実をつける。ツノハシバミもハシバミ同様に北海道から九州にかけて分布するが、九州と四国には少ないそうである。果実は、ハシバミとは異なり、くちばし状に伸びた突起を有しているために、ツノ(角)の名がつけられた。両者とも果実(種子)は食用になるが、一般的に榛の実として食用・販売されているのは、セイヨウハシバミ(ヘーゼルナッツ)の果実である。(藤吉正明記)