玉鴫(たましぎ) 三夏
【解説】
中国南部からマレー半島、インド、アフリカ南部、東オーストラリアなどに繁殖する鳥で日本に繁殖するのは珍しいが、北陸、関東以南の水田、湿地、休耕田で生息する。二十四センチ程。雄より雌の方が色彩が派手。雄は頭部から上面にかけて褐色、喉から胸は灰褐色で腹は白い。雌は額から頸が赤褐色で胸は黒い。アイリングとその後方に勾玉のような模様がある。一妻多夫で雄が子育てをする。
【科学的見解】
タマシギは、タマシギ科の鳥類で、東北以南の地域に留鳥もしくは漂鳥として生息しているが、個体数は少ないとのことである。生息環境は、草の生えた水田等の湿地を好み、草の種子や小動物等を捕食している。巣は草の茂み等の地上に作り、枯草を寄せて皿形をしている。産卵期は四月から七月で、四個程産卵する。(藤吉正明記)