磯鵯(いそひよどり) 三夏
【解説】
本州から九州に分布し、岩や礫のある場所を好み、海岸の岩場や崖、河川などに生息する、二十三センチほどの鳥。雄は頭部から背、尾までの上面と顔、喉から胸までが明るい青色で、腹から下は赤褐色。ヒーチョイチョピーチョなどと大きな澄んだ声でさえずる。
【科学的見解】
イソヒヨドリは、ヒタキ科の鳥類で、日本全国の海岸等の岩場で留鳥もしくは漂鳥として生息しており、北海道においては夏鳥として渡来する。磯という名前の通り、海岸付近を主な生息場所としているが、近年では海岸から内陸地の都市部や住宅地等にも生息地を拡大している。営巣場所は、岩やビル等の人工物の隙間を利用し、枯草等を集めて椀形の巣を作る。産卵期は三月から六月で、産卵数は五個から六個とされている。(藤吉正明記)