青海苔(あおのり/あをのり)三春
【子季語】
いとあおさ/長青海苔/笹海苔/薄葉青海苔/ひとえぐさ
【解説】
緑藻類アオノリ属の総称。日本各地に広く分布し、汽水域あたり で繁茂する。丈は三十センチくらいになり、葉は青々としている。 養殖も盛んで、汽水域などに網などをしつらえてのりを採取する。
【科学的見解】
青海苔とは、食用とされる緑藻類の総称である。一般的に青海苔として販売されているものは、ヒトエグサ科のヒトエグサ、アオサ科のアナアオサ、スジアオノリ、ウスバアオノリなどが含まれている。それらの生態として、ヒトエグサは波穏やかな潮間帯上部に群落を作り、アナアオサはヒトエグサよりも水深の深い潮間帯下部に生育し、スジアオノリは内湾河口付近の淡水の影響が及ぶ海に多産するとのことである。(藤吉正明記)
【例句】
青のりや見るがごとくに伊勢の海
蝶夢「草根発句集」
青海苔や石の窪ミのわすれ汐
几董「井華集」
青海苔や葭簾に伏し蜑が軒
闌更「半化坊発句集」
青海苔や水にさしこむ日の光
正岡子規「寒山落木」