石斛の花(せっこくのはな/せつこくのはな) 仲夏
【子季語】
石斛/巖木賊
【解説】
ラン科の常緑多年草。暑さに強い日本原産のラン。岩や老木の枝 等に着生する。白っぽい紐のような根で着生し、根元から太い茎 が束生する。二年から三年経った古い茎の上部に、白色又は淡紫 色の美しい花を数個つける。茎には節があり、新しい茎には節ご とに披針形の葉が互生している。古くから干したものを薬用とし た。草丈は十センチ~二十センチ。
【科学的見解】
セッコクは、本州から琉球の樹幹及び岩上に生育する着生性のラン科植物である。白い花を茎先に多数つけるのが特徴的である。デンドロビウムと呼ばれている洋蘭は、本種が含まれるセッコク属(Dendrobium)である。日本に自生する近縁種としては、花が黄色のキバナノセッコクが知られている。(藤吉正明記)
石斛や朝雲ひかる峰の寺
高田蝶衣「青垣山」