蒲の絮(がまのわた) 初秋
【子季語】
蒲の穂絮
【解説】
蒲はガマ科の多年草。川、池、湿地など水辺に群生する。七~八月頃、直立した茎の先に茶色い円筒状花穂をつける。花穂は秋になるとほぐれ、絮状になって飛散する。
【科学的見解】
ガマは、北海道から九州の流れの緩やかな湿地に生育する大型の多年草である。似た植物としては、小型のコガマと雄花と雌花の間にむき出しの茎が存在するヒメガマが知られている。三者ともに、果実が熟すと細長い冠毛を持つ種子を形成し、それらを風によって散布する。一果実あたりの種子数は、数万から数十万個になる。(藤吉正明記)