浜木綿の実(はまゆうのみ/はまゆふのみ) 晩秋
【子季語】
浜万年青の実/文殊蘭の実
【解説】
ヒガンバナ科の花。日本では関東以西の温暖な地の海岸に咲く。万年青のような葉であるが大きく、七、八月頃傘形の白い花を咲かせる。花のあと茎の頂点にたまねぎ形の実を七八個実らせる。
【科学的見解】
ハマユウの標準和名は、ハマオモトである。本種は、ヒガンバナ科ハマオモト属の多年草で、関東南部以西から沖縄までの海岸付近に生育する。開花後、球形の果実を形成し、中には直径が二から三センチメートルほどの種子が複数含まれている。種子表面はコルク質で、内部には海綿状の気泡が存在することから、水に浮くことができるため、海流散布で分布を拡大する。近縁種としては、沖縄地域に生育する本種よりやや大型のタイワンハマオモトが知られている。(藤吉正明記)