布袋葵(ほていあおい) 晩夏
【子季語】
布袋草/和蘭水葵
【解説】
ミズアオイ科ホテイアオイ属の多年草。南アフリカ原産の水草で池などに浮いた状態で生育する。葉の付け根あたりのふくらみが、七福神の布袋様に似ているところからこの名がある。夏に淡い紫色の花を咲かせる。繁殖力が高く、池を覆うほど増える。
【科学的見解】
ホテイアオイは、ミズアオイ科ホテイアオイ属の浮水性の多年草で、流れの緩やかな水域に生育する。本種は、熱帯アメリカ原産の外来植物で、本州関東以西から沖縄までの地域に野生化している。寒さに弱いため、霜が降りる場所では越冬できず、一年草となる。似た植物としては、日本在来のミズアオイが知られているが、ミズアオイは抽水性のため、浮水性の本種とは生活様式が大きく異なる。本種は、在来種の生育を脅かすほど水域での繁殖力が高いため、世界および日本の侵略的外来種ワースト百に選定されている。(藤吉正明記)