芋の花(いものはな) 晩夏
【解説】
里芋の花のこと。八月ころ、長い花茎の先端に黄色の苞に覆われた黄色の棒状の花を咲かせる。里芋は花を咲かせないように育てるので目にすることは少ない。
【科学的見解】
日本において栽培されているイモ類には、サトイモ、ジャガイモ、サツマイモ等が存在するが、縄文時代に渡来し栽培されてきた種としてはサトイモが知られている。サトイモは、温帯性の粘り気の多い芋で、粘り気の少ないものはタロイモと呼ばれている。また、亜熱帯地域ではサトイモの変種であるタイモ(ミズイモ)が水田等の水の中で栽培されている。それらは、サトイモ科に属する多年草で、土壌中に生み出される栄養繁殖体のイモ類を食するが、葉の付け根にある葉柄部分も食用になる品種がある。花は、仏炎苞と呼ばれる筒型の中に、小花がたくさんついた肉穂花序を形成する。(藤吉正明記)