甘藷の花(さつまいものはな) 晩夏
【子季語】
薩摩芋の花/甘藷(かんしょ)の花
【解説】
甘藷はヒルガオ科の一年生作物。中南米原産。十七世紀前半、九州に伝わったもの。七月から八月にかけて朝顔に似た淡いピンク色の花を咲かせる。本州ではあまり開花せず、九州や沖縄で見られる。
【科学的見解】
甘蔗の標準和名は、サツマイモであり、ヒルガオ科の一年生栽培作物である。栄養の少ない土地でも育つことから、救荒作物として戦時中は栽培されてきたが、現在では食用やデンプン用、または加工用(干し芋やお菓子利用)、焼酎製造の材料としても広く活用されている。サツマイモは、ヒルガオ科の植物であるため、アサガオのようなロート型の花冠を形成するが、開花は稀である。(藤吉正明記)