草藤(くさふじ/くさふぢ) 晩夏
【解説】
マメ科ソラマメ属の蔓性多年草。日本全国の山野に自生する。葉は互生し、先端が長く伸びて巻きひげ状になる。晩夏、茎の上部の葉腋から八センチほどの総状花序を出し、紅紫色の蝶形花を咲かせる。花全体が藤ににているのでこの名がある。
【科学的見解】
クサフジは、マメ科の多年草で、北海道から九州までの山野の日当たりの良い草地や林縁などに生育している。葉は羽状複葉で、マメ科特有の蝶形花冠を総状につける。本種には、近縁種が多く、オオバクサフジやヒロハクサフジ、ノハラクサフジなどの在来種のほか、ビロードクサフジやナヨクサフジなどの外来種が存在する。ビロードクサフジは、英名としてヘアリーベッチと呼ばれており、飼料や緑肥目的で畑に栽培されていたものが、逸出して各地に広がっている。(藤吉正明記)