春林(しゅんりん) 三春
【子季語】
春の樹/春の森
【解説】
芽吹き始めた林や森のこと。柔らかい緑に覆われた広葉樹林はことのほか美しい。鳥がさかんに鳴き、地上では獣や虫が活発に動き始める。
【科学的見解】
身近な環境にある広葉樹林は、一般的に雑木林と呼ばれている。その雑木林には、様々な樹種が混在しており、それら樹種ごとに新緑の色が黄、黄緑、赤緑、緑などと異なるため、色彩鮮やかな森となる。新緑の色が異なる原因としては、緑色の色素のもとはクロロフィルと呼ばれる光合成色素であるが、その色素の作られる速度が樹種によって異なるため、それ以外の黄色や赤色の色素が目立ち、色彩豊かな新緑となる。また、新緑の葉には、昆虫が群がり、それらを鳥たちが食べ子育ても行うために、活気に溢れた森となる。(藤吉正明記)