江鮭(あめのうお/あめのうを) 仲秋
【子季語】
雨魚/あめ/あめご/あめうを/甘子/琵琶鱒
【解説】
サケ科の魚で、ビワマスの別称。琵琶湖のみに生息する。成魚はサクラマスに似ており、体長は六十センチ、色は銀白色。産卵期には雌雄ともに赤や緑の婚姻色が現れる。秋の産卵期に入り、大雨の日に群れをなして川を遡上することから「雨の魚(アメノウオ)」と呼ばれる。刺身や揚げ物、塩焼きなどとサケやマスと同様に調理し、美味である。近年は琵琶湖のほか、諏訪湖や中禅寺湖にも移植され、また
人工孵化放流も行われる。
【例句】
喰ひてけり猫一口のあめの魚
信徳「隠蓑」
月は山けふや近江のあめの魚
荷兮「あらの後集」
瀬田降つて志賀の夕日や江鮭
蕪村「蕪村句集」
あめ来るや普請半ばの川堤
召波「春泥発句集」
捨てるほどとれて又なし江鮭
几董「井華集」