初鴉(はつがらす) 新年
【子季語】
初烏
【解説】
元日のまだ明けやらぬ空に声を上げる鴉である。いつもは、ごみなどを食いあさって嫌われる鳥であるが、初日を受けたその姿は常とはことなり清らかな印象を与える。
【来歴】
『合類俳諧忘貝』(弘化4年、1847年)に所出。
【例句】
朝がらす老のねざめの始めかな
蝶夢「草根発句集」
己が羽の文字もよめたり初烏
蕪村「津守舟三編」
はつ鴉月あきらかにかがみ餅
麦水「葛箒」
初鴉大虚鳥(おほをそどり)こそ光あれ
中村草田男「中村草田男全集5」