初午(はつうま) 初春
【子季語】
午祭、初午参り、福参、一の午、稲荷講、験の杉
【関連季語】
二の午
【解説】
二月の最初の午の日に行われる稲荷神社の祭礼で、午祭ともいう。京都深草の伏見稲荷をはじめ大阪の玉造、愛知県の豊川稲荷、また神戸の摩耶参など、各地の稲荷神社で盛大に行われる。二の午、三の午もある。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
きさらぎやけふ初午のしるしとて稲荷の杉はもとつ葉もなく 光俊朝臣『夫木和歌抄』
【実証的見解】
稲荷信仰はもともと農事の神の信仰で、初午はその年の五穀豊穣を願うものであった。農家はこの日、稲荷社にお神酒や油揚げ、初午団子を供えたりした。
【例句】
はつむまに狐のそりし頭哉
芭蕉「末若集」
初午や物種うりに日のあたる
蕪村「蕪村句集」
初午やその家々の袖だゝみ
蕪村「蕪村句集」
はつむまや鳥羽四塚の鶏の聲
蕪村「蕪村句集」
初午や鍵を啣へて御戸開く
野坡「梅鏡」
初午や土手は行来の馬の糞
正岡子規「寒山」
初午の祠ともりぬ雨の中
芥川龍之介「龍之介全句集」