【子季語】
目刺鰯、頬刺、ほざし
【解説】
小型の真鰯や片口鰯を五匹前後、竹串や藁などに通して干したもの。竹串を目に刺したものが目刺、鰓に刺したものが頬刺。早春、焼きたての目刺は、おかずや酒の肴として庶民に愛されてきた。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【例句】
殺生の目刺の藁を抜きにけり
川端茅舎「茅舎句集」
一聯の目刺に瓦斯の炎かな
川端茅舎「華厳」
雪となりて火のうるはしさ目刺焼く
渡辺水巴「水巴句集」
温泉の町に銀座もありて目刺売る
中村吉衛門「ホトトギス雑詠選集」
腸のはぜてくやしき目刺かな
長谷川櫂「初雁」