鞦韆(しゅうせん、しうせん)三春
【子季語】
秋千、ぶらんこ、ふらここ、ふらんど、ゆさわり、半仙戯
【解説】
ぶらんこのこと。上方に渡した棒や梁から二本のロープをたらして台座を吊った遊具。台座に乗り、足を前後させたり伸縮させたりしてこぐと大きく揺れる。寒い間はかえりみられることもないが、暖かくなるにしたがって、子供たちを誘う。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【文学での言及】
春宵一刻値千金 (しゅんしょういっこくあたいせんきん)
花有清香月有陰 (はなにせいかあり、つきにかげあり)
歌管樓臺聲細細 (かかんのろうだいこえさいさい)
鞦韆院落夜沈沈 (しゅうせんいんらくよるちんちん)
蘇東坡『春夜』
春の宵は素晴らしい、この一時が千金にも値するほどである。
花は清らかな香を放ち、月に淡々と影が差す。
楼台から流れていた歌や器楽の音も今は細々としている。
庭の鞦韆も静かに垂れて、夜はいよいよ更けてゆく。
【例句】
ふらここの會釋こぼるや高みより
太祇「太祇句選」
ふらんどや桜の花をもちながら
一茶「一茶句集」
鞦韆の月に散じぬ同窓會
芝不器男「芝不器男句集」
鞦韆に腰かけて読む手紙かな
星野立子「立子句集」