祗園会(ぎおんえ、ぎをんゑ) 晩夏
【子季語】
祗園祭、祗園御霊会、山鉾、祗園囃、二階囃、神輿洗、宵山、宵飾、無言詣、鉾立、鉾町、鉾祭、鉾の稚児、長刀鉾、月鉾、船鉾、弦召、祗園太鼓、祗園山笠
【解説】
京都東山八坂神社の祭礼。祇園祭、祇園御霊会とも言われる。七月一日の吉符入から、くじ取り、神輿洗、鉾建、宵山、山鉾巡行、花傘巡行、疫神社夏越祭と七月中、連日行事が続く。七月十七日の山鉾巡行で最高潮を迎える。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【文学での言及】
かさにさす山鳥の尾のながき日に神のそのとぞ今日祭るらむ 民部卿為家『夫木抄』
【実証的見解】
祇園祭に仕える人はみな「蘇民将来の子孫なり」という護符をつけて祭りに参加する。蘇民将来は八坂神社の祭神スサノオの命に旅の宿を貸し、その礼に疫病退散のご利益をいただいた人物。祇園祭は平安時代の初期に悪疫退散を祈願に始められた祭礼である。「蘇民将来」の護符は、疫病の退散を願う祇園祭にふさわしいものといえる。
【例句】
鉾にのる人のきほひも都かな
其角「華摘」
祇園会や京は日傘の下を行く
蓼太「蓼太句集初編」
祇園会や真葛が原の風かほる
蕪村「蕪村句集」
ぎをん会や僧の訪よる梶が許
蕪村「蕪村句集」
我子にて候へあれにほこの児
大江丸「俳懺悔」
長刀鉾ぐらりと揺れて動き出づ
長谷川櫂「蓬莱」