鴫(しぎ)三秋
【子季語】
田鴫、青鴫、磯鴫
【解説】
日本に渡ってくる鴫は非常に多い。大体、七月から十二月にかけて渡ってくる。なかには越冬するものもある。主に田地、沼地の泥湿地に多く、体上面は茶色と黒の交錯、体下面は白い。鳴きながら直線状に飛ぶ。
【例句】
刈りあとや早稲かたかたの鴫の声
芭蕉「笈日記」
泥亀の鴫に這ひよる夕かな
其角「五元集」
よる浪や立つとしもなき鴫一つ
太祗「太祗句選後篇」
鴫遠く鍬すすぐ水のうねりかな
蕪村「新五子稿」
鴫突きのしや面になぐる嵐かな
一茶「七番日記」