木槿(むくげ)初秋
【解説】
中国、インド、小アジア原産のアオイ科の落葉低木。三メートルほどになる。庭木や生け垣として植えられ、紅紫色を中心に、白やしぼりの五弁の花を咲かせる。朝咲いて夕暮れには凋む。はかないものの例えにもなる。
【科学的見解】
木槿(ムクゲ)は、アオイ科フヨウ属の樹木であり、耐寒性のあるハイビスカスの仲間として、公園や庭先などで栽培されている。多くの園芸品種が作出されている。ムクゲは、韓国の国花になっている。(藤吉正明記)
【例句】
道のべの木槿は馬に食はれけり
芭蕉「野ざらし紀行」
花むくげはだか童のかざし哉
芭蕉「東日記」
手をかけて折らで過ぎ行く木槿哉
杉風「炭俵」
川音や木槿咲く戸はまだ起きず
北枝「卯辰集」
修理寮の雨にくれゆく木槿かな
蕪村「落日庵句集」
蜘(くも)の網かけて夜に入る木槿哉
希因「暮柳発句集」