鷹(たか)三冬
【子季語】
のすり、八角鷹、熊鷹、鶚、青鷹、蒼鷹、もろがへり、大鷹
【解説】
ワシ、タカ科の中形の鳥類の総称で、色彩は主に暗褐色。嘴は強く鋭く曲がり、脚には強い大きな鉤爪があり小動物を襲って食べる。鷹狩に使われているのは主に大鷹である。蒼鷹(もろがえり)は、生後三年を経たたかのこと。
【例句】
鷹一つ見付けてうれし伊良古崎
芭蕉「笈の小文」
夢よりも現の鷹ぞ頼もしき
芭蕉「鵲尾冠」
鷹の目の枯野にすわるあらしかな
丈草「菊の香」
あら浪に山やはなれて鷹の影
麦水「葛箒」
落し来る鷹にこぼるる松葉かな
白雄「白雄句集」
鷹来るや蝦夷を去る事一百里
一茶「寛政句帖」
鷹とほる柿爛熟の蒼の中
飯田龍太「春の道」
ただ一つ飛びゆく鷹のさびしさよ
長谷川櫂「虚空」