牡蠣(かき)三冬
【子季語】
石花、真牡蠣、牡蠣田、牡蠣殻、牡蠣打酢牡蠣、どて焼
【解説】
箱イボタガキ科に属する二枚貝の総称。岩などに付着している。波穏やかな入江に筏を浮かべ養殖する。生牡蠣も土手鍋も良いが、殻のまま焼き醤油とレモンをひとたらしすると旨い。
【例句】
牡蠣よりは海苔をば老の売りもせで
芭蕉「続虚栗」
から蛎の潮にもどるひとつかな
白雄「白雄句集」
たまはるる石花にかしこしひねり文
嵐雪「玄峰集」
蠣むきや我には見えぬ水かゞみ
其角「五元集拾遺」
妹がりや荒れし垣根の蠣の殻
正岡子規「子規句集」
牡蠣の口もし開かば月さし入らむ
加藤楸邨「怒濤」
わだつみの淋しらの牡蠣びつしりと
長谷川櫂「松島」