羽抜鳥(はぬけどり)晩夏
【子季語】
羽抜鶏、羽抜鴨、羽脱鶏、鳥の換羽
【解説】
夏になると鳥は冬羽から夏羽へと抜け替わる。この頃の羽のまだ整わない鳥をいう。時期は種類により異なる。鴨や雁は風切羽や尾羽も完全に抜け替わる。鶏はしばしのあいだ威厳を無くした姿を晒すことになる。
【例句】
羽ぬけ鳥塒にけぶる浅間山
蕪村「夜半叟句集」
ゆふぐれもしらぬではなし羽ぬけ鳥
蕪村「蕪村書簡」
松風や関はむかしに羽抜鳥
白雄「白雄句集」
なかなかに安堵顔なり羽抜鳥
一茶「七番日記」
おの皆羽喰ひぬいてなく鳥よ
一茶「八番日記」
羽抜鳥高き処に上りけり
前田普羅「普羅句集」
羽抜鶏目玉ふたつの夕焼くる
加藤楸邨「雪起し」