孑孑(ぼうふら)三夏
【子季語】
ぼうふり、棒振虫
【解説】
蚊の幼虫で溝、池、水槽などの淀んだ水にすむ。尾に呼吸管をも ち、棒を振るような格好で浮いたり沈んだりするので、ぼうふり とも言う。一週間位で羽化し成虫となる。
【例句】
身やかくてぼうふり虫の尻かしら
路通「草庵集」
ぼうふりやなまなか澄める腐れ水
太祇「太祇句選後篇」
ぼうふりの水や長沙の裏借家
蕪村「新花摘」
棒振や少し日のさすたまり水
嘯山「葎亭句集」
孑孑や日にいく度のうきしづみ
一茶「七番日記」
孑孑や松葉の沈む手水鉢
正岡子規「季語別子規俳句集」
孑孑のかがやく尻を水のうへ
高田正子「花実」